大型製品の精密板金加工は、求められる精度の高さやサイズの大きさによる扱いの難しさから、高度な技術と特有の方法が必要になります。以下で、大型精密板金加工のポイントと注意点について説明します。

大型精密板金加工のポイント

大型精密板金加工には、加工精度と作業方法の2点のポイントがあります。

加工精度

大型の製品は、小型の製品に比べて寸法公差が緩やかになりますが、それだけ部品の全長に対する寸法公差を出すのが困難になります。長尺のものや面積の広いものは、わずかな誤差でも全体に影響を及ぼすためです。特に曲げ加工における角度や溶接の歪みの調整が製品の精度を左右します。寸法公差内に収めるために計測と曲げを繰り返し、歪みが最小限になるよう最適な方法で溶接を行うことがポイントです。

作業方法

部材のサイズが大きいため、加工や運搬の際には、クレーンやフォークリフトが必須になります。また、広いスペースも必要になり、複数人による作業もしばしば発生します。
製品の向き少し変えたり、次工程に運んだりするだけでも安全に配慮して作業を行う必要があります。また面積が大きいため、仕上げ作業も通常の製品に比べ、時間を要します。大型製品を扱える設備とエリアを備え、対応できる人員が不可欠です。

大型精密板金加工の注意点

また、大型精密板金加工を行う上では、以下のような注意点があります。

曲げ加工の角度調整

長尺物では、曲げ角度のばらつきが出やすいため、角度の補正や試作によって寸法公差内で加工ができるよう微調整が必要です。また、曲げる板材自体のサイズが大きく、自重によってたわみやすいので、位置ズレにも注意しないといけません。複数人で板材を支えたり、補助治具を利用したりして、部材を安定させる必要があります。

溶接の歪み

サイズが大きいため、必然的に溶接箇所が多くなり、熱による歪みが避けられません。
歪みを最小限にするために、点付け溶接や断続溶接を行うことで熱の入りを抑えます。また、溶接する順番を左右対称に行うなどの工夫も必要です。さらには治具による固定も重要になってきます。溶接後に熱が冷めた際の変形も起こりえるため、必要があればハンマリングやプレスにより歪みの修正を行います。

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