当記事では、製缶板金加工と塗装について詳しくご説明します。是非ご確認ください。

 

製缶板金加工とは

製缶板金加工とは、鋼板や鋼材を使用し、曲げ・溶接といった加工により求められる形状に成型する加工です。

製缶板金加工については以下の記事で詳しくご説明していますので、ご確認ください。

>>製缶板金加工とは?

>>製缶板金加工の品質向上事例

製缶板金加工品の塗装の種類

製缶板金加工品の塗装の種類をご紹介します。

材料による種類:➀溶剤塗装

有機溶剤(シンナー)などを使用し、塗料として吹き付けることで製品に色を付けます。気温や湿度により粘度の調整を行う必要はありますが、色替えも容易にできることから、少量多品種への対応ができます。

材料による種類:②粉体塗装

粉末状の塗料を吹き付けて、静電気より密着性を高め、焼き付けを行います。そうすることで、塗料が溶けて色が付きます。膜厚が厚くなり、耐久性にも優れますが、粉末を密着させるための前工程に時間を要するため、短納期対応には不向きです。

方法による種類:➀吹き付け塗装

塗料を霧状にして吹き付ける事で塗装する方法です。作業者が塗りたい箇所にエアスプレーガンという器具を向けて塗料を吹き付けます。様々な形状の製品に柔軟に対応できます。ただ、人の手によるものなので、仕上がりや膜厚においてばらつきは出ます。

方法による種類:②静電塗装

塗装したい製品を+の電極、塗料の方を-電極に帯電させ、静電気よって塗料を付着させる方法です。製品の一部に塗料が吹き付けられると、静電気の力で塗料が製品を辿って広がってくれるので、ワークの裏側まで塗料が回ります。通常の吹き付け塗装よりも塗着効率が良く、塗料の消費量が少なくて済みます。

方法による種類:③焼付塗装

塗料を塗った後に乾燥炉にて製品を110℃~200℃の温度で一定以上加熱して焼き付けることによって皮膜を硬化させる方法です。塗料が密着するため、仕上がりが美しく、錆びにも強いという利点があります。また、20~30分程度で製品が乾くため、自然乾燥よりも早く出来上がります。

製缶板金加工品を塗装する設備

次に、製缶板金加工品を塗装するための設備をご紹介します。

洗浄機

製品表面から異物や油分を除去する装置で、塗装を行う前の脱脂工程で使用する設備です。塗装をする前に製品に異物が付着していると、表面に凹凸ができたり、塗料が剥離したりします。そのため、脱脂工程で製品表面をきれいにしておくことが後で塗料を塗る際に非常に重要になります。

乾燥炉

製品を100℃~200℃といった高温で乾燥させる設備です。焼付塗装に必須の設備なので、この設備がないと自然乾燥しかできません。自然乾では時間を要することになるので、完成までのリードタイムが長くなります。

塗装ロボット

ティーチングを行うことによって、プログラムに応じた様々な塗装パターンができます。塗出量やエアー圧の制御により、膜厚を均一に塗装することが可能で、安定した品質を担保できます。複雑な形状の製品であってもティーチングで覚えさせることで、繰り返し無駄なく塗装できます。

製缶板金加工品の塗装のポイント

ここからは、製缶板金加工品の塗装のポイントをご紹介します。

1.脱脂による表面の汚れの除去

いくらきれいに塗料が塗れたとしても、製品に異物が付着していると塗装不良につながるため、脱脂工程で、油分や異物を除去した状態で塗装を始めることが品質確保の第1歩になります。

2.膜厚の確保

製品に求められる膜厚を確保するためには、適度な塗出量に調節することが重要です。どの程度塗料を吹きかければ、オーダー通りの膜厚になるかをトライで見極め、膜厚計で条件を満たしているかを確認します。

製缶板金加工品 塗装におけるコストダウン

塗装によってコストダウンを行うには、できるだけ工数を減らし、効率良く塗料を塗る工夫が必要です。
そのためには、塗る回数を減らすために、1度で全面の塗装ができるように製品を配置し、塗料がいきわたるようにしなければいけません。製品によっては穴が開いておらず、吊ることができないため、表裏の2度塗りが必要になります。そこで、吊り穴を開けることにより1度の塗装で全面塗りが可能になります。結果、塗料も少なく、乾燥時間も短くなるため、コストダウンにつながります。

製缶板金加工品 塗装事例

製品名:安全柵
業 界:製造業
サイズ:幅1500mm×高さ1200mm

柵

こちらの製品は、工場などにある危険な場所に入らない様にするための安全柵です。錆び止めを2回(表裏)に塗装し、その後に安全色を2回(表裏)塗装しています。製品のほとんどが網目になっており、細かく複雑になっています。この製品に対して、洗浄機により脱脂を行い、塗装ロボットにより塗装を行います。計4回の塗装になりますが、乾燥炉によって乾燥するため、乾燥時間は自然乾燥に比べ大幅に短くなっています。また、静電塗装により、塗料の密着性を高め、仕上がりも良く、効率良く塗装できています。当社では、洗浄機2機、塗装ロボット2台、特殊乾燥炉を保有しており、焼付塗装及び静電塗装も可能です。溶剤塗装により、少量多品種かつ短納期品でも対応できます。

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製缶板金加工と塗装について、ご理解いただけましたでしょうか。
当社は製缶板金加工を得意とし、板金加工・機械加工・溶接・塗装まで社内で一貫対応しています。製缶板金加工の委託先をお探しの皆様、製缶板金加工にお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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