Before (改善前)

 ブラケットやベース等の製品を加工する際に、形状によっては二つの板材を溶接する必要があります。例えば、t6.0の板材とt4.5の板材を溶接する場合、溶接の脚長を厚い方の板厚であるt6.0に合わせて加工をするよう図面指示がある場合があります。しかし、脚長をt6.0に合わせると、t4.5のほうの板材に歪みが生じてしまいまうため、歪み取りの作業が必要となります。

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After (改善後)

 板厚がt6.0とt4.5の板材を溶接する際に、脚長をt4.5に合わせる事で熱による歪みを最小限に抑え、板金組立品の製品品質を向上させることができます。板厚が厚ければ厚いほど高温で溶接を行う必要がありますが、薄い方の板材は高温での溶接が原因で歪んでしまいます。そこで、脚長を板厚が薄い方の値に合わせるよう図面指示を変更することで、薄い板材に歪みが生じづらくなります。

POINT(要約)

 板金組立加工では、様々な板厚の板材を溶接することがあります。溶接の脚長が板厚が厚い方に合わせて設計されている場合がありますが、その分溶接温度が上がってしまい薄板に歪みを生んでしまいます。異なる板厚の板材に溶接する際は、薄板に合わせて脚長を設計することで品質が向上します。