Before (改善前)

 板厚3.2mmのSS400材をコの字曲げにブレーキ工程で加工後に、数カ所M8のナットを溶接するワークがあります。しかし、曲げ幅が十分にとれない場合や、コの字曲げなどの特殊な曲げ加工を行う場合は加工時間が長くなってしまいます。このような場合、曲げ部分の付近の穴にナット溶接を行うことは、トーチが入れづらかったり、皿ボルトで固定をして溶接する必要があるため、多くの工数がかかってしまいます。

V

After (改善後)

 設計時に使用強度を考慮する場合、板厚が3.2mmまでのナット溶接を行う製品については、ナットをカシメナットに変更することで作業時間を圧縮させ工数削減となります。また、ナット溶接時に薄板の熱による歪みの影響もないので、製品の精度も向上します。板厚1.2mm~3.2mmまでの薄板、またM5~M8までのカシメナットならばナット溶接からカシメナットに変更できるので、リードタイム短縮・品質向上を実現させることができます。

POINT(要約)

 板金組立品に用いられる部品で曲げ部分に、ナット溶接を求められる場合があります。しかし、曲げ部分の形状によっては工数が多くなり、リードタイムが延びてしまう。このような場合、ナットをカシメナットに変更することでリードタイムの短縮、また、溶接時の熱による歪みもなくなるので品質向上させることができます。