Before (改善前)

 約12tのプレートに4H7の長穴加工を行う場合、φ5以下の小径エンドミルで加工を行う必要があります。この場合、エンドミル径の3倍以上の深さを加工する為、ロングのエンドミルを使用することになります。その結果、突き出しが長い状態で加工するため刃物が逃げてしまい、テーパー形状になってしまうことがあります。また、工具への負担もかかってしまうので、工具破損トラブルも起こってしまいます。

V

After (改善後)

 上図青部分のように刃物の通り口に「逃がし」を設ける事で、ロングエンドミルからショートのエンドミルでの加工が可能になります。逃がしがあるので、突き出し部分が短くなり剛性が高くなるため、刃物の逃げを防ぎ、倒れの角度も小さくなります。工具の振れも発生しないので、加工穴がテーパー形状になることもなく、きれいなストレートの加工を行うことが可能となります。

POINT(要約)

 深穴加工を行う場合、切削時に剛性の問題から刃物が逃げてしまい、テーパー形状になり易いという問題があります。しかし、穴の形状に「逃がし」を設けて段つきにすることで、切削工具を根元からつかむことが可能となり、テーパー形状の発生を防止することができ、高い精度の深穴加工を行うことができます。