Before (改善前)

　上図のように機械加工品にキー溝加工を行う場合、キー溝の底面部は平らな形状が要求されるため、通常はエンドミルで切削加工を行います。しかし、ワーク上面からエンドミルで掘り下げていくと、切削時間が大幅にかかってしまいます。エンドミルでの加工はドリル加工に比べて加工時間が長くなる傾向があるため、エンドミルでの加工は加工工数が多くなってしまいます。

V

After (改善後)

　上図のように溝の底部をドリル先の穴が残ってもいいような設計に変更することで、コストダウンが可能になります。このように設計変更を行うことで加工をドリル穴加工を行った後にエンドミルの順番で加工ができます。ドリル加工での切削はエンドミル加工に比べて加工時間を大幅に短くすることができるため、ドリルとエンドミルを併用し、エンドミルでの加工を短くすることで加工コストダウンを行うことができます。

POINT(要約)

　切削加工は使用する工具によっては加工時間は大幅に異なります。ワーク形状や部位によって最適な切削工具が選定されるのですが、ワーク形状に合わせるために非効率な加工を行わざるをえない場合もあります。効率のよい加工を行うために、機能上問題がないのであれば、形状変更を行うことで工数削減を行うことができます。