Before (改善前)

 シャフトなどの旋盤加工品において、上図のように2種類(例えば、R0.4とR2)のR指定がされている場合があります。R0.4は標準チップで旋盤加工を行うことが可能ですが、R2は標準外のサイズであるので、バイトを成形して加工する必要があります。そのため、R形状の加工に時間がかかり、加工時間が長くなるのでコストアップの1つの要因となってしまいます。

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After (改善後)

 設計上強度に問題ないのであれば、上図のようにRを標準チップのRに合わせる事で1種類のバイトでの加工が可能となり、加工時間の削減とバイトの成形が不要になり、コストダウンを行うことが可能となります。標準工具での切削が可能な形状、ツールチェンジなく1種類の工具での切削が可能な形状などを検討することで加工コストを抑えることができるようになります。

POINT(要約)

 機械加工において、標準工具のサイズ以外での加工が求められる場合、特注の工具を購入・作成して加工を行うか、標準工具を使用して、特別な加工を行うか、工法を変更するかの3つに大分されます。可能な限り標準工具での加工対応ができるような形状に設計しておくことで、不要な作業や工具購入・作成を避けることができるようになります。