Before (改善前)

エンドミル改善事例1

板厚19.0mmに対して寸法公差のある長孔加工を行う場合、まずドリルで穴を2か所開けてからエンドミルを使用し約2mmずつ切削を行います。板厚19.0mmの場合、横移動を10回行い上記STEP1の加工を行っていきます。その後、エンドミルを使用し長孔を少しずつ広げていくように切削加工を進めます。上記STEP2の様に粗削りを4周、仕上げ削りを1周行います。この加工方法の場合、工具交換が2回、加工時間は約60分から90分掛かってしまいます。          

V

After (改善後)

エンドミル改善事例2

板厚19.0mmに対して寸法公差のない長孔加工を行う場合、超硬のエンドミルを使用し傾斜切込加工で長孔加工をすると、加工時間が約20分で加工する事ができ、加工時間を大幅に削減します。設計的に公差を設ける箇所を選定し、公差がなくても問題ないようなら一般交差に設定すれば、加工方法・加工時間は大きく変わってきます。このように加工する条件・機械・方法などを選定し加工を行うことで効率向上や時間削減に繋げることができます。又、3DCAD/CAMデータを送って頂ける場合は更に工数カット、コストカットになります。

POINT(要約)

切削加工の設計段階においては寸法公差があるかないかで加工時間に大きな差が生じるため、公差を設ける箇所を適切に選定することが重要です。もし公差がなくても問題ない一般交差に設計すれば、加工時間の大幅削減が可能です。この場合、板厚19.0mmの鋼材に対して寸法公差なしで設計すると、傾斜切込加工を行うことができます。その結果、加工時間約90分を20分に削減でき、コストを低減することが可能となります。